2009年2月過去ログ

皆さんご存知の方も多いと思いますが、スペソーは、僕「モリソン小林」ひとりでやってるわけでは
ありません。アシスタントと言うのも、もうそろそろ卒業で、相方と言ってもいいくらいかもしれません、
「永遠の初心者」という異名を持つ、大ちゃんがいるのです。
これ以上の、大ちゃんについての説明はいらないくらい、ピッタリハマったナイスな異名です。
まるで猿岩石の有吉が名付けたくらいのインパクトがありますね。
大ちゃんは僕とは正反対で、何事にもスローな作業姿勢を貫いています。
彼の人柄の良さは秀逸で、彼の友人たちを見ればその素晴しさが理解出来ます。
アイアンアイのコータくんしかり、としくんにショータくん、直樹くんにしーちゃん、美容師のちーちゃん
などなど、僕が知っているかぎり、全員ナイスガイ&レディです。
前置きはこれくらいにして、「永遠の初心者」が制作した作品をご覧下さい。
この作品のおかげで、5月の現代での展示会のテーマが「童話の世界」に決まってしまいました。
大ちゃんの一存で.....
タイトルは「赤ずきんちゃんとおおかみ」です。

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size=手のひらにすっぽりと入るくらい

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球体関節人形とは、関節部が球体によって形成されている人形の総称で、自在なポーズを
取らせることが可能なもののことをいいます。その作家としてもっとも有名なのは、
ハンス・ベルメールというポーランド出身のアーティストだそうです。
写真を一枚だけ見ましたが、当時彼の影響で、日本でもこの種の人形を造形する作家が急増した
というのもうなずけます。
僕ら世代からすると、作家さんでは四谷シモンさん、球体関節だと鋼鉄ジーグの超合金が
なじみの深いものの代表でしょうか。

約一ヶ月間、全9回に分けての連載でしたが、ようやく人形が完成しました。
当初、彫像を彫る勉強のために人形を制作し始めましたが、粘土を使うということもあって、
これほど手間のかかる作業になるとは思ってもみませんでした。
そもそも、はじめからうまくやろうとしても、何事もそうはいかないんだとはわかっていたんですが、
どこかに、簡単だろう、という皮算用があったことは否定出来ません。
制作過程で、彫像のほうが圧倒的に難しいと感じた部分は多々ありましたが、
どちらもつきつめていけば、比較にならないほど魅力的な作業だということが、再確認できました。
吉田先生、今回こういった機会を与えていただいて、本当にありがとうございました。

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今回の球体関節人形は、箱の中に入れて、ひとつの作品として4月の展示会に出展する予定です。
もちろん裸ではなく、もしかしたら顔しか表立って見えてこないかもですが、雰囲気のあるものに
なりそうです。でもその前に、洋服を着せ替えてみたりもしてみたくなる気持ち、わかります。
椅子とかベッドとかも作っちゃおうかな。
そういえば、◯態なことばっかり考えてて、大事なこと忘れてますね、
洋服作っていただける方、どなたかいらっしゃいませんか?

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ここに来て身内からも、ついに禁断の一言が発せられました。アガリの東山くんから、
「いいんじゃないの、昔から持ってた趣味だと思えば」とか、スタジオミラの太田あやちゃん
からは「みんな◯態ですからね、ドSだったりドMだったりして」なんて、すでにその道の門を
くぐっちゃったんですね、的なお言葉をかけてもらったまでは良かったんですが、スペソーの
大ちゃんにいたっては「けっこうかわいいな、とか思ってないですよね〜」なんていう
人の心を読み取ったかのような言葉で、ドキッとさせられたりしてるのです。
そうこうドキドキしてるうちに髪の毛が届きました。

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4,5段くらいに分けてつけていくので、鉛筆で
下書きします。こめかみあたりのラインが
一番難しいんですね、これは。

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木工ボンドを一番下の段に塗っていきます。

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髪の毛がミシンで縫ってある「みの」という
のを使います。

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この状態だと鎧かなんかを着させないと
いけない気分です。

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頭頂部の方は、みのだと薄いので、
厚めのみのを自分で作ります。
まず30mmくらいを4枚重ねたみのの
ミシン目をカットします。

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ブラシで短い毛を取っていきます。

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先っちょに木工ボンドをヘラで塗ります。
乾燥させてのりしろを5mmくらい残して
切りそろえたら出来上がりです。

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そのみのを貼っていきます。
てっぺんは貼ってから折り返して
コテをあてます。これがけっこう難しくて
みのの厚みをかなり均一にして
おかなければきれいにいかないようです。

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だいだいOKといったところでしょうか。
このままの長さだと、おしりより長いので
今回は短めにしたいので、胸のあたりで
カットします。

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さあまつ毛をつけましょう。
まつ毛はこんな感じのが売ってます。

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ピンセットでつけていきます。

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これであとは、もう一度組み立てて
ようやく人形は完成です。
髪の毛とまつ毛をつけると、本当に
生命が宿っていく感じがします。
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こうしてみると、この世界にはまっていく人の気持ちがよ〜くわかります。
もういいですよ、気を使った発言なんてしないでも。僕はもともとやばい系なんですから。
今度はブロンドかなぁ、黒髪のロングかなぁなんて考えてるんですから。
次回はいよいよ完成、ヘアスタイリングをして組み上げます。

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いよいよ油絵の具を使います。実は僕、油絵の具を使うのはほとんど初めてといっていい
くらいの初心者です。なぜなら、ウレタンやラッカー系などの揮発性の高いシンナーは
大丈夫ですが、塗料用シンナー、いわゆるオイルペイント系の揮発性の低いのは、
気持ちが悪くなって、中毒気味の症状に襲われたりするので、なるべく避けてきたのですが、
そうも言ってられないようなので、換気をきっちりしてやってみたいと思います。

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下地塗装の前でもやったように、ウエスで
ならしていきます。

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目の部分は、筆に水をつけてふやかして
からヘラで下地塗装を取ります。

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ペーパーパレットに絵の具を出して、
ペインティングオイルを混ぜて、
ペーパーナイフでときます。
はじめに、グリーンブルーグレー系の
色を作って、スポンジでポンポンと
叩きながらうすくのばしていきます。

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ここで乾燥しないといけないようですが
待ってられないので、ピンク系を塗ります。
ローズグレーに白を混ぜたものです。
しかし、なんかピンク過ぎるので、
肌色に近いオレンジ系のジョンブリヤン
を混ぜて塗り重ねていきました。

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唇や目の周り、関節や指の赤みがかった
部分に、筆で赤めのサーモンピンクを
入れていきます。

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肌色が出来て来ました。
ここで一晩乾燥させます。

朝触ってみると、まだまだ絵の具がつく状態で、乾燥にはほど遠いかったのですが、
これまた待ってられないので、メイクアップまでいっちゃいます。

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油絵の具用の面相筆で、眉毛を
描いていきます。
日本人ぽく造形してるので、
最終的に髪の毛をブラウンにしたいと
思ってたのですが、これだとなんか
ブロンドにしなくてはいけないような
色味になってしまいました。
目をブルーにしとけば良かった、
というより、もっと焦げ茶に塗り直せば
と思うのですが、けっこううまく
描けたので、いいかなぁと。
唇は筆を立て使いでなじませます。

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メイクアップ完成です。


残すところ髪の毛とまつげになりました。素材がまだ届かないので、待つことにしましょう。
(それなら絵の具ごとにちゃんと乾燥させてからやれば良かったんですよね...)

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なんだか、自分でもだんだんやばい領域に足を踏み入れてしまったように恐れおののくように
なってきましたが、今更「いやそんな趣味はないよ」なんて言っても、誰も「そうだよね、アート
だからね」なんて言ってくれなくなってきたように感じます。
前回、勢いにのって自立するところまでなんとかこぎつけましたので、
ようやく下地塗装に入ります。

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その前に、水で堅く絞ったウエスで全体を
拭いて表面をならしていきます。

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下地は、モデリングペーストをひとつまるまる
300ccと、ジェッソ50cc、水を150cc入れて、
よくかき混ぜます。

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アクリル絵の具の赤、緑、黄土色を少しづつ
入れていきます。
肌色のベースになる色なので、自分の好み
でとは書いてますが、初心者には一応
何となくの目安の分量は教えて欲しい
ところですが...

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塗装はいつもの要領で、エアガンで吹くので
ろ紙でこして、カップに入れていきます。
ウレタンやラッカー用のろ紙では目が細か
すぎて、えらい時間がかかるので、目が
荒いろ紙でこしましょう。

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焦らず、すこしづつ4回くらい塗り重ねて
いきます。
なんか全然白だなぁ、と思いつつも、
このままいきます。



下地塗装完了です。次は乾燥させてから、油絵の具で肌を作っていきます。

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2月になりました。この5月までに2回も展示会の予定があるなんて、今更ながら
現実的に可能なのかどうか、不安になってる今日この頃です。
それにしても、寒いからでしょうか、本当に時間がかかりますね。
実際の作業時間はわずかですが、乾燥等にとられる時間がハンパではないです。
いっそのこと、4,5体いっぺんに作っておけば良かったかな、と思ってます。
前置きはこのへんにしておいて、いよいよ関節の溝堀りに入ります。
腕や脚は3mm幅くらいの溝を、関節の内側に向けて約90度くらい切り込んで掘ります。

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手は2mmです。
はじめにピンバイスで端に穴をあけてから
溝を掘ります。

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彫像でも使う、ミニのこぎりが便利です。

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溝の横から2mmの穴をあけて、1.6mm
ステンレス棒を差し込みます。

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瞬間接着剤でつけます。

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続いて1.6mmステンレスを曲げて、
頭の中のフックを作ります

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頭に差し込んでなじませます。
瞬間でくっつけてさあゴムを通します。

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ゴムは4本丸というもので、けっこうかため
なものです。テンションがしっかりかから
ないと、関節が動いて自立しないという
ことなのでしょう。

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400mmくらいのステンレス棒をSフックに
したものを使って、ゴムを引っ張って、
通していきます。頭から両足へ一本づつ、
手から手へ一本の3本使います。

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けっこう簡単に自立しました。

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関節のディティールもうまく納まってます。

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顔の表情も、アルプスの少女ハイジでの初めて立ったクララのような、
晴れやかな表情に見えると言ったら言い過ぎでしょうか。

先生も本の中で立ったら合格、とおっしゃっていたので、一安心です。
確かに、1mmでも左右のバランスが悪いと、自立しないと思います。
ようやくここまで来ました。残すのは、下地塗装と、油絵の具での仕上げ塗装、
メイクアップと髪の毛の装着、まつげ.....けっこうありますねぇ。
彫像なら5体くらい出来てるくらいの時間を費やしてるような気がしてますが。

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