2009年5月過去ログ
- 2009年5月29日 球体関節人形 No.2 Pris
- 2009年5月27日 レリーフタイル
- 2009年5月25日 バレリーナの彫像
- 2009年5月24日 球体関節人形 No.3 Rachael
- 2009年5月22日 2009年度 現代手工業乃党展示会が始まります
- 2009年5月 9日 続 球体関節人形
今回制作した球体関節人形は全部で4体、今年のお正月に1体、この1ケ月で3体を作りましたが、
以前も記述した通り、彫像をより良く彫るための練習のために、粘土による造形をもう一度見直す
必要があったからです。
最初のは作り方を学んで、この2番目は関節の見え方を変えて、眼をつぶった表情を学んで、
3番目は1、2をふまえてきれいな表情を作ること。
そして4番目は1Mを超える等身大に近いものを作ること。
この課題を設定して、クリアすることで、次にステップアップして進みたいと思ったんです。
さて、このNo.2 Prisですが、GASA*の
五十嵐さんが、妖精をモチーフに
洋服と、アクセサリーを制作して
スタイリングしてくれました。
羽がついているのはそのためです。
アンティークガラスケースの台座には
茜陶房さんで焼いてもらったタイルを
砕いたものを敷き詰めていて、
左下は、鉛を流し込んで、
manuteria*specialsourceの刻印を
入れています。
人形はちょっとこわい、という先入観を
もっている方は多いようですが、
やわらかい感性で制作すれば、
癒しを与えてくれるように
作り上げることも出来るんだな、と
そんな気持ちにさせてくれました。
以前沖縄の茜陶房さんで制作したレリーフタイル
ですが、焼き上がった陶器の上に鉄粉をまぶして
錆びさせて仕上げました。
白土を7mm程の板状にして軽く乾燥させてから
茜陶房のお二人に、指導を仰ぎながら、
ヘラや彫刻刀で彫りました。
一見、鉄の鋳物で出来ているように見えますね。
蟻がいる果物のと、枝葉のふたつは
お客さんがつきました。
茜陶房さんありがとうございました。
ギャラリー&ショップのオープン
おめでとうございます。
これからもよろしくお願いします。
レイチェルという名前は以前書いたように、「ブレードランナー」に出てくるレプリカントの名前です。
名前的にはベタですが、ノスタルジックな容姿とその黒髪が印象的だったので付けました。
制作途中から、レイチェルをイメージしていましたが、あくまでも記憶を辿って制作しまして、
映画を15年ぶりくらいに見直したのは完成してからでした。
洋服を着ていない状態では、自分のイメージにほど遠い感じでしたが、着させてみるとイメージ通りの
郷愁感が出ています。
GASA*の五十嵐さんがレイチェルに、永遠の命を与えてくれたかのように感じるのは僕だけでしょうね。
箱の外側は、マル秘製法でエイジング加工した板で、内側は厚紙をこれもマル秘エイジングして3時間ほどで
100年くらい経過させたものです。
黒髪はウィッグではなく貼付けています。スタイリングは五十嵐さんで、300mmの腰下まで来る
長い髪の毛を、黒のベルベットのリボンで内側に巻いています。
洋服だけでなく、下着もかごもそして靴も、GASA*特製です。
眼はブルーのグラスアイ、まつ毛はディープブラウンを5,6mmにカットしています。
箱の扉は友人の岡本道雄さんからいただいた額縁をひな型にして作ったものに、
スペクトラム社製のアンティークガラスをはめ込んでいます。
ガラス越しに見ると、右と左で眼の大きさが違って見えるのがわかりますか?
これはアンティークガラスが平滑ではなく、少し波を打っていて、揺らいで見えるからです。
自分の目線が動くと、レイチェルの眼も動いてるように見えると思います。
身長は540mm、箱の外寸はw300h600d120mmです。
展示会のオープニングレセプションが行われた
金曜の夜ですが、流行病の影響などで
来場される方が少なくなるのではと、
みんなで心配していたのですが、
去年よりも大幅に多い、300名を超える方が
来てくれました。
IIDにて2年目ということで、去年の好印象が、
倍増につながったのかもしれないですね。
昨晩は遅くまでみんなが頑張って、セッティングを終えました。 現代手工業乃党が発足して、今回で6回目の展示会です。 メンバーも発足時の6チームから、倍の12チームになりまして、会場はギュウギュウ&スポットライトの熱で 熱気ムンムン状態になっていました。お世話になりっぱなしのIIDの皆様、しばしこらえて下さい。 すみません。
さて、一部のコアなファンの方々、大変お待たせいたしました。
「球体関節関節人形」無事に完成いたしました。GASA*のブランドmanuteria*ワールド全開となっております。
僕がGASA*の五十嵐さんと知り合ったのが10年ちょっと前だったと記憶していますが、その才能をもちろん、
尊敬し続けているのですが、今回、本当にそのすごさを改めて全身に浴びせられまして、現在、どこもかしこも
しびれています。
昨日三脚を忘れてしまって、ばっちりな写真が
ないのですが、いち早く見てもらったほうがいい
と思ったので出します。
後日、1体ごとにきちんと載せて、説明しますね。
これは1/1scaleのNo.4"kiki"です。
本を読みながらちょっと居眠りしています。
記念すべきファーストモデルの"Alice"です。
五十嵐さんのお気に入りです。
No.2 "Pris"です。No.1No.2って言っても
作った順番ですので、決してクラブとかで
売れっ子だからとかではないですからね。
No.3 "Rachael"が、一番人気です。
唯一この子だけが黒髪だからでしょうか。
最後に、ぎりぎりで制作が間に合った子です。
名前はありません。
球体関節でもありません。
首、両手、両足が前後に動きます。
木の上に粘土を薄く造形していますので、
けっこう丈夫です。
まだ幼いので恥ずかしがりのため、
小さなクローゼットの中にいます。
展示会期間中に、スペシャルソースの僕ら2人のどちらかがいられる予定ですが、
今日22日の4時くらいからと、23日の15時以降、24日は終日、26日の火曜日は現場なのでいられません。
27、28、29、30日は数時間いる予定ですが、事前にメールしていただければ、合わせます。
31日曜日は、ギャラリーの上の3階にて「KIDS WORKSHOP」で椅子作りをレクチャーしています。
こんな工程ですが、皆さんのお越しをお待ちしています。
イデーでお世話になった作家の吉田さんも、ノッチョさんの額の中に、作品を出展しています。
いいですよ、本当にすばらしいです。
もちろんみんなの作品も良いので、かなりの見応えがあると思います。
平日の14時〜17時あたりは、お客さんもまばらというかいないかも、くらいなので、
ゆっくり見たい方はその時間帯がおすすめです。
フィリップ・K・ディックのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を、久しぶりに読みました。
ご承知の通り、リドリー・スコットの映画「ブレードランナー」の原作です。
球体関節人形を突き詰めて作って行けばいくほど、レプリカントたちの悲哀を感じとれるようになりました。
作品を製作していて、胸が高鳴っていくことはありますが、胸がしめつけられるようになったのは、
今回が初めての経験でした。
作品に命を吹き込むということは、覚悟が必要です。生半可なものではなく。
その中には、生命が宿っていくのを感じながらも、その作品がやはり、あくまでも作り物である
ということを、受け入れなければならない現実が待っていることも、その生半可ではない覚悟の中には、
含まれているのです。
この人形に関しては、賛否両論があるようです。
人によっては、異常なまでの執着心を抱いて、人間と同等かそれ以上の愛を捧げる人もいるようですが、
逆に、性に対して否定的に気味悪がる人も大勢いるのではないでしょうか。
僕は芸術だと思っているのですが、芸術の定義ってなんでしょうか。
この手の人形たちは、その生命感からか、変質的性的な物として扱われていることが多いようです。
命を吹き込めば、より生の感覚が強くなって、感情すら抱いているように思えてきますが、
どんな作品でも、生命を宿しているからこその芸術なんじゃないかとも思います。
このブログを始めて、こんなまじめなことを書いたのはこれが初めてですね、すみませんでした。
今のところ僕の場合は、賛よりも否のほうを言われることが多いんです。完全に僕の力不足です。
今月の現代手工業の展示会で出展するつもりですが、ちょっと気持ちが折れそうで、どうするかは
まだ決めていません。
心配だった人形たちの洋服は、僕と同年の盟友gasaの五十嵐さんが作ってくれています。
素晴しいオートクチュールです。
わずかですが、楽しみにしてくれている方のために、もう少し頑張ってみようと思うようにしています。
あと少し肌の色を付けていって調整したら完成します。
どちらにしても、球体関節人形を作るのは、今回で最後です。
自分にとっては、とてもいい経験になりました。
no.2(left side) height 540mm scale1/3 name"pris"、no.3(right side) name"rachael"
先日4月26日までagreable*museeさんにて行われた展示会も、無事終了しました。
agreableさん、前回に引き続き脚を運んでくれた方々をはじめ、みなさんどうもありがとうございました。
バレリーナたちは最後にもう一度、今月22日から始まる現代手工業乃党の展示会に出展します。
その後は、リース等でそれぞれ僕の手元を離れますが、どこかで見かけることがあるかもしれませんね。