2009年6月過去ログ

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あさって7月3日金曜日から、Lucchiの展示会が、GASA*にて行われます。
植物をモチーフとしたアクセサリーは、すべてハンドメイドで、その表情は一点一点細部まで
豊かに表現されています。まるで、妖精に導かれて描写しているようです。
去年の11月と今年の4月にバレリーナ展で一緒だったので、皆さんもご存知ですね。
今回は、テンペラ画家であり、ポタニカルアートの第一人者でもある豊永侑希さんとの展示会です。
植物収集家のお部屋に入り込んだような空間に、彼女たちの作品が並びます。
スペソーも少しですが、協力させてもらいました。
GASA*の1階の会場になる空間をエイジングして、今回の展示会の雰囲気に近づけていきました。

IMG_0957w.jpg 作業前のお店です。
3年くらい経過しまして、そろそろ
壁を替えたかったようです。
壁の仕上げは、ボードに塗装です。
一番シンプルな仕上げですが、
なんとなく、ナチュラルな感じが
全面に出ていました。
IMG_9771w.jpg こういった仕上がったボードの上に
エイジングをする場合は、
手間がはぶけますから、汚したり、
塗装したりしていくことが
多いと思います。
でも、置かれる作品や商品のことを
考えると、なんとなくの仕上げでは
引き立てられないものです。
IMG_9769w.jpg そこで、今回は左官しました。
直接盛っていって、厚さ5mmくらいです。
この状態でもいいんですが、
堅い感じがします。
IMG_0963w.jpg その後に、壁を錆びさせていきます。
だんだんオレンジがかった茶色に
変色させます。
入口を入って突き当たりの壁の
表情ですが、はじめのは施行前です。
IMG_9770w.jpg 次のが、左官だけの状態です。
IMG_9826w.jpg そして、錆びさせたものです。
豊永さんの絵画の雰囲気に
近づきました。
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お店の雰囲気が変わりました。GASA*の洋服たちも喜んでいました。
Lucchiのアクセサリーと豊永さんの絵画が来るのが楽しみです。
マテリアルや仕上げに興味のある方も、是非脚を運んでみて下さい。


Lucchi & Yuki Toyonaga Exhibition
会期:7月3日(金曜)〜7月12日(日曜)
時間:12:00〜20:00 ※ 6日(月曜)はお休み
詳細はこちらをご覧下さい。
GASA*ホームページ
Lucchiホームページ

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慰霊の日

今日6月23日、摩文仁の丘で、沖縄全戦没者追悼式が行われました。
64年の歳月が流れたんですが、戦争を経験していない僕ら世代も、年を重ねるごとに
この戦争の実相と教訓を、より深く胸に刻めるようになってきたように思えます。
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守礼の門の脇に一本のヤシがあります。首里城周辺でも、この高さのはあまり見かけません。
写真家の坂本万七さんが、沖縄の昭和14年の風景を写した写真集を見ると、
首里城も守礼門もハンタン山も円覚寺のあたりも、高々と生い茂るヤシやアカギ、ガジュマル、
デイゴで覆われるくらいになっていたようです。
戦争でほとんどなくなってしまったんですが、このヤシと、ハンタン山のガジュマル、
金城町の大アカギだけは、今でも残っています。

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沖縄を訪れた方も多いと思いますが、
この木をよく見てみると、銃撃痕が
多数あるのに気付きましたか?
首里にはこうした銃撃痕が、至る所に
見られるんですが、
この木は、どれほどの悲惨な風景を
目の当たりにしてきたんでしょうね。


今では、ようやく訪れた平和の日々を一番待ち望んでいたかのように、
まっすぐ伸びていっているようです。

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聖人の彫像

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ちょうど1年前に制作した聖母マリアの彫像を、久しぶりに見ることができました。
去年の展示会で出展した彫像は10体のうち、7体が手元を離れていきましたが、
近しい人たちの元にいったので、見に行けると考えていました。
なかなか気にならなくなっていってしまうものですね。
今見るとやっぱりちょっと粗いですけど、初々しくて前向きな彫像でした。

IMG_6721w.jpg 聖人を彫ったんですが、女性の聖人は
驚くほど少ないようです。
長い間、迫害されていたんですね。
信仰はとても深く慈愛に満ちているのに。
IMG_6410w.jpg 男性はイエスだけ彫りました。
今のところこの像だけですね、男性は。
彫像、小物などの品物は、国立のagreable museeさん以外にも、
中目黒にあるhikeさんに少数ですが、販売していただいてます。
北欧の柔らかな家具に囲まれて、作品も気持ち良さそうにしています。

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球体関節人形 No.4 kiki

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  『町の上に高く柱がそびえ、その上に幸福の王子の像が立っていました。
  王子の像は全体を薄い純金で覆われ、眼には二つの輝くサファイアで、
  剣の束には大きな赤いルビーが光っていました。』

オスカー・ワイルドの短編小説「幸福の王子」を読み始めたところで、
キキには、ツバメではなく、心地よい眠気がやってきて、彼女はこらえきれずに
「幸福の王子」をひざの上に置きました。
キキは、その浅い眠りの中で、たくさんの「部屋を彩るもの」たちを眺めていました。
宝物の人形たち、大好きなバレリーナ、遊び方がまだよくわからないトランプや、
むかしむかしに作られたような果物のレリーフに、鉄と鉛でできた小さな童話の人形。

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この文章は、先月行われた、2009年度の
現代手工業乃党の展示会、
「部屋を彩るもの展」での、ディスプレイの
コンセプトになったものです。
僕はいつも通りに展示会も、作品ありき
ではなくて、空間作りをどうするかから
入ります。
イメージ出来た空間に合った作品や
ディスプレイを作り始めます。
作りたい物はたくさんありますが、
今の名もない僕らにとっては、
伝えたいことのほうが大切だからなんです。

キキが手に持っている、深いグリーンの
レザーカバーの小さな古ぼけた本ですが、
よく調べてみたら、1915年頃の
little leather libraryという、
当時の厳選された名作文学を100冊ほど
刊行したものの中のひとつのようです。
イメージした時代背景も100年ほど前
だったので、本当にピッタリでした。

そんなわけで、球体関節人形のブログの累積数がたまりすぎたようです。
このままだと本当に、人形作家と思われかねないので、今回でひとまず締めますね。

GASAのみなさん、党のみんな、IIDギャラリー、会場に来てくれた方々、
そして、球体関節人形を愛するすべての方々に感謝します。
この度は、貴重な経験をさせていただき、いろいろありがとうございました。

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思えば、去年の年末にジョセフ・コーネルという作家の本を買おうと、amazonでいろいろと
検索していた時、偶然見つけたのが「吉田式球体関節人形制作技法書」でした。
それから見よう見まねで制作しながら、いろんな人形作家さんたちの作品などを調べました。
もちろん、ハンス・ベルメールもです。
それでも、彫像のように、作品をこの眼で見るところまでは、出来ませんでした。
今回の展示会に来てくれた方全員が、ブログで見たのと全然違うと言っていたのですが、
僕もはじめにこのアリスを作ってみて、それを実感していました。
僕と五十嵐さんが作り込めた世界観というより、人形それぞれが自分で作り上げた世界観が
ここに現れているからだと思います。

IMG_9486w.jpg このアリスのために制作したトランプですが、
忙しい中、全面協力してくれたGASAの
皆さんに、記念にもらってもらったんですが、
会期中アリスがずっと右手に持っていた
クローバーの10のカードを、小澤さんが
無意識に選んだのが偶然ではないと
思ってるのは、僕とアリスだけでしょうね。
7が多かったのも、僕が七並べの要領で、
7から刷り始めていたのと、無関係では
ないと思ってますが。
IMG_9272w.jpg ちなみに、ブログで制作のプロセスを
見ていた人は知ってると思いますが、
アリスは自分で立てるんです。
EXITの清水くんは、真顔で
「あれ?名前、クララじゃないんだ」
って言ってましたが......。

アリスは、GASAのご好意で、白金のお店にしばらく置いてもらっています。
会期中に来られなかった方は、是非脚を運んでみて下さい。

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大ちゃんの世界

猫:「ニャ〜〜〜!」

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題名『長靴を履いた猫』

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ねずみ:「チュ〜〜〜!」

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題名『ヘンゼルとグレーテル』

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ヘンゼル:「わ〜い!お菓子の家だよ!」
グレーテル:「すてき!」

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魔女のおばあさん:「いっひひひひ」

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題名『ブレーメンの音楽隊』

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にわとり:「ひゃっほー!」
ねこ:「にゃ〜ほー!」
いぬ:「わお〜ん」
ろば:「ブルゥッブルゥッ...ゴホッゴホッ......」

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楽器:「..........。」

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題名『赤ずきんちゃんとおおかみ』

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赤ずきんちゃん:「キャ〜!」

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おおかみ:「グジュルグジュル、ウシシシシ」
お花:「.....えっ?」

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題名『青い鳥』

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青い鳥:「.......うん?.....あ〜?」

いかがでしたでしょうか、大ちゃんの世界。
細かい説明は不要ですね。
表面的なこだわりや理由付けをして、付加価値だけをつけようとしたり、技術的に人と違ったことを
突き詰めていっても、アイデアで先走っても、世界で自分だけしか表現できない
オリジナリティーっていうのは、出せないものです。
自分しかわからない、自分がいちばん知りたい、自分の内面を表現できたら、
伝えられるものなのかもしれないですね。

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