2010年10月過去ログ

シロチョウ

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翅(はね)はきれいなままでも、死んでいる蝶の身体はしぼんでいます。
それは標本を見るとよくわかります。
一般的に標本は、翅を見て研究、観賞するものなのでしょう。
生きている蝶の身体は、標本の倍近くはあって、しぼんではいませんでした。

名前のわからない白い蝶を見つけました。

静かに朽ちていく身体の先には、粉をふくように 白さが増していく翅。

わずかながらに残る生命の鼓動が、朽ちゆきてもなお、

その身体をふくよかに、その翅をみずみずしく見せてくれるのでしょうか。

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ギフチョウの死骸

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死骸(しがい)、屍(しかばね)、骸(むくろ)
生物が生命活動を停止した状態の体には、いくつかの呼び方があります。
人間ならば、死体もしくは遺体、遺骸または亡骸(なきがら)と言いますが、
植物にはそういう呼び方は当てはまらない気がします。
枯れる、朽ちるなどでしょうか。腐敗するは、行き過ぎなように感じます。

生命活動を停止した状態のギフチョウに出会いました。
僕はその時、「ギフチョウの死骸を見つけた」と思いました。
しかし、小さなチョウの命の終わりを目の当たりにすると、
胸が締め付けられるような切なさを感じはじめ、次第に「ギフチョウの死骸」ではなくて、
「朽ちていくギフチョウ」と思うようになっていったのでした。

昨年の物質の循環展のコンセプトには、こう書かれていました。

「朽ちていく美しさ、そして一瞬の果敢なさを表現した作品です」 と。

植物を通して見えてくる生物の果敢なさを、もう少し知ってみたいと思うんです。


Lucchiのサイトのdiaryが更新されました。homeには、僕の彫像などの写真もあります。
是非見てみて下さい。

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百刻みの刑

IMG_4739.jpg IMG_4740.jpgIMG_4735.jpg geodesiqueのギャラリーでは、今日から中村恭子さんの個展、
「ランの解剖学 生殖の線と百刻みの刑」が始まります。
僕もランについては少しだけ調べたことがあるのですが、中村さんの感覚には、とても驚かされました。


orchid2.jpgドゥルーズの時間と第三の総合

生命現象には、常にそれぞれの存在、
さらに存在者間の関係さえ部分として取り囲む、
全体性が見出されます。
そして、部分としての個物や全体という強度を配分する
階層性は、常に部分や全体なる階層の隙間に、
階層間パラドクスを混成し、
自律的に変化していきます.....。

このような作品の説明キャプションがありますが、
是非読んで下さい。

ジル・ドゥルーズといえば、そうですね、
三つの位相で展開される時間論や器官なき身体、
それにリゾームでした。
フッサールやハイデッガー、ソシュールにガタリ、
ラカン、フーコー........。
10代後半の頃に読んでいたんですが、
今でもけっこう覚えているものです。


中村さんは、自然という存在の中にあるいくつもの宇宙というか、それぞれの存在の意識の中で
幾重にも絡み合う多層的な空間を、ひとりでじっと眺めているようです。

百刻みの刑、第三の時間の総合、ランとハチの偽似交接と補完関係、バタイユのエロスの涙。
中村さんの世界観に惹き込まれて行って、還って来れなくなってしまいそうでした。

orchid.jpgのサムネール画像

球根草花展は無事終了いたしました。
geodesiqueさん、そして会場に来られた皆さん、ありがとうございました。
GASA*さん、hikeさん、茜陶房さん、たくさんのご紹介ありがとうございました。
A1A2の大きめのサイズの額が1つずつ残りましたが、みなさんに気に入ってもらって、
球根草花たちも生き続けることができて、喜んでいると思います。

さて、hikeさんでの物質の循環展が待っています。
もしかしたら、年末に開催できるか難しくなってきているかもしれません。
それに、草花を期待している方には、その期待に添えないかもしれません。

僕はいろいろなものを作ってきました。
いつも新しい試みをしてきました。
植物が3回も続いたのは奇跡か偶然かもしれません。

けれど、自分のものにすると次に新しいものを作ってみたくなるというタイプではないんです。
納得のいくものが作れなかったり、まったく受けなかったり、突き詰めていきたくなるようなものに
出会えなかったからです。

モチーフやテーマが植物ではない時もあると思いますが、
僕が突き詰めていきたいと思えるような世界観が、今ようやく見えてきたんです。
いろいろな意見をいただきますが、以前とは違ってすべて好意的で発展的な意見なので、
ありがたく思っています。
もうしばらくは、この世界観を見守っていっていただければ幸いです。

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スノーフレーク

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leucojum(レウコジュム)はギリシア語で、leukos(白い)とion(スミレ)に由来しています。
日本では花の形がスズランに、球根がスイセンに似ていることから、
スズランスイセンと呼ばれています。
英名はスノーフレーク、小雪のかたまり。
ひらひらと舞い降りる、雪のように見えることから名付けられた名前だそうです。
僕もこの名前がぴったりだと思います。


IMG_4369w.jpgスノーフレーク
学名:leucojum aestivum
ヒガンバナ科スノーフレーク属
原産地:地中海沿岸
花言葉は「皆を惹き付ける魅力」


377-1.jpg金曜日の夜のBRITPOP NIGHT。
皆さんどうもありがとうございました。
めざせロッキンオンNIGHT始まって以来の大盛況でした。
いつものように現代手工業乃党の仲間たちが全員集合で、
結束力の強さを嬉しく感じましたし、
今回が初めての方たちともみんなが交流を持てたので、
もの作りが好きな人たちのコミュニティーが出来つつ
あるかなという期待感みたいなのがありましたね。
それで、早くも年末に次回のNIGHT開催のオファーが...。
次回からは、なんかこう、もの作りやアート、デザインなんかが好きな人たちが集う会というのを、
前面に出した感じのNIGHTがいいかなと思ってます。
この辺は、森下さんに決めていってもらうことにしましょう。


展示会最後の土日もたくさんの方にお越し頂きました。
GASA*さんでのバレリーナの展示会からずっと来ていただいている方から、
関西や東北などの遠方より来ていただいた方など、
本当にありがとうございました。
このブログや、現代手工業のコラムを継続してきて良かったと思いますし、
GASA*さんやagreableさん、hikeさんに今回のgeodesiqueさんと、
個展を催して下さった、とても素晴しい方たちとご一緒できたおかげだと実感しています。
お客さんも合わせて、みなさんの共通しているところは、
大ちゃんにとてもあたたかく接してくれるところですね。
僕が言うのもなんなんですが、大ちゃんほど無垢な人はいないと思っていますから、
大ちゃんに優しくしてくれる人は、ほんとに優しい心を持ってる人だと思います。
それで思うんですけど、geodesiqueの石井さんも、大ちゃんとおんなじ匂いがするんです。
お客さんに何度も間違われているのがわかりますよね。

さて、展示会は6日の水曜日までです。
毎週のように、レイアウトを変えていますが、
ゆらめくステンドガラスの中にあるので、光の入り方によっていろんな表情を見せてくれるからです。

今日明日も営業しています。
僕と大ちゃんは、最終日の水曜日の夕方頃から会場にいると思います。

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BRITPOP NIGHT

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今晩展示会場のGEODESIQUEさんにて、めざせロッキンオンプレゼンツ
「BRITPOP NIGHT」があります。
展示会期間中で、イメージが合うかどうかとか、GEODESIQUEさんもスペソーの作品も
フランスを意識しているなど多々ありますが、今夜だけUKオンリーです。

スタッフの方の多大な協力を得られますので、
展示作品は暗いですが、すべてご覧になれます。
今まで、時間的に見に来れなかった方などは、この機会にどうぞ脚を運んでみて下さい。

さて、このロッキンオンNIGHTですが、1年前振り3回目の開催となります。
3回ともご来場の方全員に、皆勤賞としてあの伝説のDJユニット
「THE ROSWELL BROTHERS」のTシャツをプレゼントいたします!!
是非今回も来て下さいね!

※このイベントはクラブ、ライヴ等の大音量を流すものではありません。
  BONYARI BARの名前の通り、15年前のあの頃を想い出しながら、
  ボンヤリしながら、おしゃべりをしたり、作品を見たりするものですので、
  音楽はBGM程度のものと考えてお越し下さい。

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