2011年6月過去ログ

慰霊の日

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凄惨な被害とおびただしいほどの犠牲者を出した、 かの大戦から66年が経ちました。


国際通りは当時の復興の象徴として、焼け野原から目覚ましいほどの発展を遂げ、
1.6kmという長さだったことから、奇跡の1マイルと呼ばれました。

沖縄戦で一木一草まで焼き尽くされた1944年10月10日の首里大空襲では、
那覇市内の90%が焼失しました。
テニスコートくらいの広さに、直径3Mの砲弾痕が10個ほどの割合で出来ていたそうですから、
その凄まじさが想像を絶するほどであったことがうかがえます。


ー 1945年6月23日を、奇跡的に着弾を逃れた首里三箇所から
疎開していた山原(やんばる)で迎えた少年がいました。

少年は、巡査だった父や家族とともに首里に戻りましたが、
先祖から受け継いで来た家は無く、テントでの生活が待っていました。

教育など受けられるはずもなく、少年はアメリカ軍の作業に従事して、
家族の生計を立てなければなりませんでした。


少年は二十歳になると、少しずつ蓄えたお金を使ってベンチシートの車を買い、
個人タクシーを始めました。

おもに米兵が顧客でしたが、彼の気さくな人柄が、人から人を呼んで、
沖縄で初めて外車のタクシーを操るようになると、
力道山をはじめとする日本の著名人も、彼のタクシーを好んで利用するようになっていました。

当時の沖縄では、誰もが親兄弟を支えるために働いていましたが、
彼は家族の生活を養うということの他に、兄弟の学費を稼ぐという目的もありました。

そして、本土復帰が目前に迫った1960年代後半、
大学を卒業して立派な就職先に勤めていた弟から、1台のトレーラーを贈られます。

かねてからの夢だった運送業を、その1台のトレーラーからはじめることになりました。


何かの台紙だった厚紙を切り抜いて、車にあててスプレーを吹いて、
自分の会社のマークをトレーラーのドアに描きました。

何もかも自分たちで作り上げていくしかない環境でしたが、
一人一人が、「僕がやらねば誰がやる」と言い合って、頑張っていました。

彼もまたそうやって本土復帰に湧く沖縄を、ひたすら走り続けるトレーラーの中で
感じていたのでした。


そして現在、国際通りは今もまだ1マイルの道筋をそのままに在ります。
国映館やグランドオリオン、山形屋にダイナハ、国際ショッピングセンターなど、
なくなってしまったものはたくさんありますが、
その姿は、着実に受け継がれて行っているようにも見えます。


沖縄戦を10歳の時に迎えた少年は、大人になって、おとうになって、
今ではおじいになりました。

沖縄戦は語り継がなければいけない大切な史実ですが、
おとうたちが目を輝かせる、沖縄が躍動感に満ちていたあの時代の話を聞く度に、
消してはいけない灯(ともしび)が、他にもたくさんあることを、
思い出させてくれるんです。


大戦後66年、戦争開始から70年になりました。
この70年の道筋のすべてが、沖縄戦なのです。

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morison   /  

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human + nature

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先週までLucchiの展示会が行われていた白金台のGASA*shopでは、
昨日から、houseの増満兼太郎さんの展示会が始まりました。


靴や鞄、バッグなどの皮革ものはもちろん、羽ばたく鳥のモビールや
金属のアクセサリー、それに版画もありました。

増満さんらしい、こんな展示会にしたいなと思わせてくれる空間でした。


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僕らが自立した頃は、「作れる」ことがアドバンテージになり得た時代でした。

今では、それだけで有利な時代は終わりました。
「作れる」ことが、内面から生み出された表現手段ではなくなって、
獲ってきた外面だけをなぞって、「作れる」と思われるようになってしまったからです。


増満さんの世界観を感じるたびに、作り手に必要なことは何かを教わることが出来ます。
自分と向き合って、自分しか作れない、表現出来ないものを作ることの大切さ。

いつの時代も、大人に憧れるのは表ではなくて背中、真摯に向き合うその姿勢でした。


それだけは紡いでいきたいと、思い出させてくれる展示会でした。

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展示会は6月19日の日曜日まで開催されています。
詳しくはGASA*blog、またはhouse informationをご覧下さい。

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Le Lac des cygnes

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白鳥の湖といえば、チャイコフスキー作曲の世界3大バレエのひとつとされる、偉大な作品です。

その白鳥の湖の見所は、オデット(白鳥)とオディール(黒鳥)という正反対の人格を、
一人のエトワールが演じるところにあります。

連続のパ・ド・ドゥなどの高い技術、体力、スピードはもちろんですが、
純真と野心、妖艶と優雅さを兼ね備えた演技力がなければ表現出来ない作品です。

オペラ座のエトワールの中では、アニエス・ルテステュの演技の印象が強くあります。
そしてジークフリート王子はジョゼ・マルティネスですね。


さて、オスカーを獲得した、ナタリー・ポートマン主演の映画「ブラックスワン」。
皆さんはもうご覧になりましたか?

なんだかんだ言って、僕はまだ見れてません。やっぱりホラー映画なんでしょうか?

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