2012年2月過去ログ
- 2012年2月26日 ツバキ
- 2012年2月22日 GASA*shop 10周年
- 2012年2月12日 ふたつのスミレ
- 2012年2月10日 作品アーカイブ
- 2012年2月 8日 ATELIER CABANE JOURNAL
春に咲く木という字が示すように、椿は日本の風土が育んだ花で、
日本的な匂いを強く持っています。
日本人にとっては、「椿五千年」と言われるように、縄文時代の貝塚から、
薮椿の材を使った斧の柄と櫛が出土しています。
当時の日本には、冬でも葉を落とさない椎や樫、楠などの照葉樹林で、
うっそうと覆われていたそうで、その中で新緑の広葉に、
花色のくっきりと映える椿は、どんなにか神秘的で鮮烈であったでしょうか。
原生種として五千年という時を、私たちの風土ですごしつつ、
野生の匂いがたっぷりとしみ込んだ椿。
そのかたわら貴人に愛されて、気品をも備え、
わずか一輪でもあたりを祓う強い言葉を持つ花になりました。
金属の植物の一連の作品は、
主に使用している鉄が錆びることによって、
朽ちていく様を表現していますが、
どこまで朽ちさせるのかが、いつも迷うところです。
このツバキに関しても同様で、
朽ちかけてから、枯れる前に花ごと落ちるため、
その瞬間も美しいのですが、落ちてから
一週間ほど陰干しして、茶色の混ざった花色も
きれいなんです。
この作品は立体でしたので、前者の花です。
錆びた鉄管になげいれて、一瞬の果敢なさを
表現しています。
- flower which signs in praiseof spring -
春を謳う花展出展作品 (2011spring at Carafe)
本日2012年2月22日午後2時22分、GASA*白金台店が10周年を迎えました。
思えば10年前の今日も、暖かく穏やかな午後でした。
たくさんの人たちに支えられて、たくさんのストーリーが生まれました。
スペソー的にも、大ちゃんがたくさんの伝説を作りましたし。。。
大ちゃんが調べた今日の誕生花はいくつかありますが、
英名がswan river everlastingと響きの良い、ローダンセは良い花です。
花言葉は「終わりのない友情」とあります。
そのローダンセは素敵な花なんですが、この花言葉だけをいただいた、
GASA*という名前の花が、いろんなところにたくさん咲いていると、僕は思っています。
お店には春夏の洋服が並び始めました。
お近くにお越しの際は、是非お立ち寄り下さい。
洋服たちのおかげで、気持ちは季節より前に、暖かくなりそうです。
詳しくはこちらをご覧下さい
GASA*information
GASA*blog
スミレは世界中に多くの種類が自生する花ですが、日本は特に種類が多いようです。
その中でも代表的なのがマンジュリカ(viola mandshurica)と、
タチツボスミレ(viola grypoceras)です。
「春の野に 菫摘みにと来し我ぞ 野を懐かしみ 一夜寝にける」
菫というと代表的な歌は、この万葉の歌人、山部赤人の歌でしょうか。
こうした古来より菫の花は、愛されてきました。
世界中に多くの種類が自生していますが、日本には特に野生種が多く、
桜、梅、菊、百合、椿と並んで、菫は日本を代表する花です。
さて、現代ではすみれといえば、やはりこの歌でしょうか。
「すみれの花咲くころ はじめて君を知りぬ.....」
そうです、宝塚です。歌劇団です。
その宝塚の生徒たちの袴姿は、少女たちの憧れの的ですが、
袴と言えば、明治ロマンの時代「すみれ女史」と呼ばれた、跡見女学校が有名です。
そして、明治ロマンと言えば、ロマン主義、「星菫派(せいきんは)」です。「明星」ですね。
「きけな神恋はすみれの紫に ゆふべの春の讃嘆のこゑ」
与謝野晶子です。日本にとっての青春期と呼べる時代に、ロマンチックな花を咲かせました。
里山や、雑木林の風景の消えた都会では、コンクリートの割れ目から咲いている
スミレを見かけることもしばしばです。
スミレがこうも愛され続けるのは、どんな条件下でも謙虚に生きていくその姿を、
自分たちと重ね合わせてしまうからなのでしょうか。
スミレ
学名:viola mandshurica
日本に自生する代表的なスミレは2つあります。
この種は、葉の形が先の丸い矢じりのように、
細長いかたちをしています。
その濃い紫色には、多くの歌人を魅了する
気品と誠実さを兼ね備えています。
タチツボスミレ
学名:viola grypoceras
もうひとつは、ハート型の葉を持つタチツボスミレです。
この花はマンジュリカに比べて淡い紫で、
大きさも控えめです。都会では自生できないため、
郊外の里山や雑木林などで見ることができます。
この花には淡い紫ともうひとつ、淡い香りを伴います。
星菫派のロマンチズムに溢れた歌人たちが歌ったのは、
この菫の方が多かったのかもしれません。
個展にて発表したすべての作品を、ご覧いただくことが出来るように、
年内にHPを開設しようと動いておりますが、先立ってfacebookページで、
仮ですが、見ることが出来るようになりました。
facebookページ:http://www.facebook.com/pages/Special-source/166511550131007?sk=photos
facebookがご覧になれる方のみとなってしまいますが、
ご覧になれる方はどうぞお気軽に覗いてみて下さい。
いつも素敵なATELIER CABANEさん。
ホームページも本当に素敵なんですが、
ATELIER CABANE JOURNALというブログもとても楽しみに見ています。
「植物の意思を第一に、その次に私の意思です。
この思いは植込みでも、生花でも、ドライフラワーでも、
たとえ、不自然な色に染められたプリザーブドフラワーでも
同じです。
その中に見え隠れする、植物の姿を残して形にしたい。
花茎葉根。
植物の生きる為にのみ作られた全ての機能を切り取り形に
しているのだから、
その本来の姿を、植物の意思を聞き取って形にしたい。
そして、さらに言えば、その元となる土の大切さと
素晴らしさを感じてもらいたい。
そのような気持ちで植物を『私の形』にしていきたい
『私の形』としての植物を提案していきたいと
思っています。」
JOURNALの中での高橋さんの言葉です。
グッと来ますね。素晴しいです。
ATELIER CABANE JOURNALは2つあります。
高橋さんの、yuki takahasi blogはこちら
izuさんの、STAFF BLOGはこちら
fasebook page なら、ブログのお知らせも届きます。
そして、素敵なHPもお忘れなく。atelier cabane HP