2012年2月過去ログ

ツバキ

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春に咲く木という字が示すように、椿は日本の風土が育んだ花で、
日本的な匂いを強く持っています。


日本人にとっては、「椿五千年」と言われるように、縄文時代の貝塚から、
薮椿の材を使った斧の柄と櫛が出土しています。
当時の日本には、冬でも葉を落とさない椎や樫、楠などの照葉樹林で、
うっそうと覆われていたそうで、その中で新緑の広葉に、
花色のくっきりと映える椿は、どんなにか神秘的で鮮烈であったでしょうか。

原生種として五千年という時を、私たちの風土ですごしつつ、
野生の匂いがたっぷりとしみ込んだ椿。
そのかたわら貴人に愛されて、気品をも備え、
わずか一輪でもあたりを祓う強い言葉を持つ花になりました。


IMG_6901ww.jpgツバキ
学名:Camellia japonica

金属の植物の一連の作品は、
主に使用している鉄が錆びることによって、
朽ちていく様を表現していますが、
どこまで朽ちさせるのかが、いつも迷うところです。

このツバキに関しても同様で、
朽ちかけてから、枯れる前に花ごと落ちるため、
その瞬間も美しいのですが、落ちてから
一週間ほど陰干しして、茶色の混ざった花色も
きれいなんです。
この作品は立体でしたので、前者の花です。

錆びた鉄管になげいれて、一瞬の果敢なさを
表現しています。


- flower which signs in praiseof spring -
春を謳う花展出展作品 (2011spring at Carafe

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morison   /  

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GASA*shop 10周年

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本日2012年2月22日午後2時22分、GASA*白金台店が10周年を迎えました。
思えば10年前の今日も、暖かく穏やかな午後でした。

たくさんの人たちに支えられて、たくさんのストーリーが生まれました。
スペソー的にも、大ちゃんがたくさんの伝説を作りましたし。。。

大ちゃんが調べた今日の誕生花はいくつかありますが、
英名がswan river everlastingと響きの良い、ローダンセは良い花です。
花言葉は「終わりのない友情」とあります。

そのローダンセは素敵な花なんですが、この花言葉だけをいただいた、
GASA*という名前の花が、いろんなところにたくさん咲いていると、僕は思っています。


お店には春夏の洋服が並び始めました。
お近くにお越しの際は、是非お立ち寄り下さい。

洋服たちのおかげで、気持ちは季節より前に、暖かくなりそうです。


GASA122.jpg

詳しくはこちらをご覧下さい
GASA*information
GASA*blog

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ふたつのスミレ


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スミレは世界中に多くの種類が自生する花ですが、日本は特に種類が多いようです。
その中でも代表的なのがマンジュリカ(viola mandshurica)と、
タチツボスミレ(viola grypoceras)です。

「春の野に 菫摘みにと来し我ぞ 野を懐かしみ 一夜寝にける」

菫というと代表的な歌は、この万葉の歌人、山部赤人の歌でしょうか。
こうした古来より菫の花は、愛されてきました。
世界中に多くの種類が自生していますが、日本には特に野生種が多く、
桜、梅、菊、百合、椿と並んで、菫は日本を代表する花です。

さて、現代ではすみれといえば、やはりこの歌でしょうか。

「すみれの花咲くころ はじめて君を知りぬ.....」

そうです、宝塚です。歌劇団です。

その宝塚の生徒たちの袴姿は、少女たちの憧れの的ですが、
袴と言えば、明治ロマンの時代「すみれ女史」と呼ばれた、跡見女学校が有名です。
そして、明治ロマンと言えば、ロマン主義、「星菫派(せいきんは)」です。「明星」ですね。

「きけな神恋はすみれの紫に ゆふべの春の讃嘆のこゑ」

与謝野晶子です。日本にとっての青春期と呼べる時代に、ロマンチックな花を咲かせました。

里山や、雑木林の風景の消えた都会では、コンクリートの割れ目から咲いている
スミレを見かけることもしばしばです。

スミレがこうも愛され続けるのは、どんな条件下でも謙虚に生きていくその姿を、
自分たちと重ね合わせてしまうからなのでしょうか。


IMG_8782w.jpgスミレ
学名:viola mandshurica
日本に自生する代表的なスミレは2つあります。
この種は、葉の形が先の丸い矢じりのように、
細長いかたちをしています。
その濃い紫色には、多くの歌人を魅了する
気品と誠実さを兼ね備えています。

IMG_8785w.jpgタチツボスミレ
学名:viola grypoceras
もうひとつは、ハート型の葉を持つタチツボスミレです。
この花はマンジュリカに比べて淡い紫で、
大きさも控えめです。都会では自生できないため、
郊外の里山や雑木林などで見ることができます。
この花には淡い紫ともうひとつ、淡い香りを伴います。
星菫派のロマンチズムに溢れた歌人たちが歌ったのは、
この菫の方が多かったのかもしれません。

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morison   /  

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作品アーカイブ

個展にて発表したすべての作品を、ご覧いただくことが出来るように、
年内にHPを開設しようと動いておりますが、先立ってfacebookページで、
仮ですが、見ることが出来るようになりました。

facebookページ:http://www.facebook.com/pages/Special-source/166511550131007?sk=photos

facebookがご覧になれる方のみとなってしまいますが、
ご覧になれる方はどうぞお気軽に覗いてみて下さい。

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ATELIER CABANE JOURNAL

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いつも素敵なATELIER CABANEさん。
ホームページも本当に素敵なんですが、
ATELIER CABANE JOURNALというブログもとても楽しみに見ています。

RIMG0170.JPG「植物の意思を第一に、その次に私の意思です。
この思いは植込みでも、生花でも、ドライフラワーでも、
たとえ、不自然な色に染められたプリザーブドフラワーでも
同じです。
その中に見え隠れする、植物の姿を残して形にしたい。
花茎葉根。
植物の生きる為にのみ作られた全ての機能を切り取り形に
しているのだから、
その本来の姿を、植物の意思を聞き取って形にしたい。
そして、さらに言えば、その元となる土の大切さと
素晴らしさを感じてもらいたい。
そのような気持ちで植物を『私の形』にしていきたい
『私の形』としての植物を提案していきたいと
思っています。」
_01.JPGJOURNALの中での高橋さんの言葉です。

グッと来ますね。素晴しいです。


ATELIER CABANE JOURNALは2つあります。
高橋さんの、yuki takahasi blogはこちら
izuさんの、STAFF BLOGはこちら

fasebook page なら、ブログのお知らせも届きます。

そして、素敵なHPもお忘れなく。atelier cabane HP

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