2012年6月過去ログ

around the sea

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カーチベー(夏至の南風)が吹いて梅雨の明けた南の島では、すでに夏本番を迎えました。
空はますます青色を深めて植物たちが色濃く映し出されると、蝉が一斉に鳴き出します。
そんな蝉の声を背にさとうきび畑を抜けると、トラバーチンの石垣の向こうに珊瑚礁が見えてきます。


『around the sea』


珊瑚礁の広がる熱帯、亜熱帯の海がイメージです。


白い砂浜に打ち上げられた珊瑚、波風にざわざわと揺れる熱帯植物、
そして小さな森の中にある御嶽から感じる、神聖な自然を想う気持ち。

僕ら二人がずっと大切にしてきたものたちを表現しました。


皆さんのお越しを心よりお待ちいたしております。


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在点日:7月7日(土)13:00〜17:00、18:00〜、8日(日)終日、12日(木)16:00〜19:00。

※ 以降の在店日はこのブログとLucchi diaryにて、後日お知らせします。

http://lucchi.jp/diary/

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GÉODÉSIQUE Philosophy

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展示会まで2週間弱となりました。

DMも出来上がり、大ちゃんが宛名などの発送準備に取りかかっています。
少し肌寒いくらいなので、汗などがDMに付かなくて良い感じです。
ピーナッツ揚げを食べながらシールを貼ったりしないでくれれば良いですね。


GÉODÉSIQUEさんが好きな理由はいろいろありますが、いつも感じるのは、「似てる」ということです。

スタッフのみなさんが、僕の気が合う人たちに似ているということが大きいですが、
考え方や習慣、もしかしたらちょっとした境遇までが似ているのではと思ったりします。

中でも一番似ていると思うのは、マイペースなところだと感じています。
哲学的に云うと「自らの自由により、自らの生き方を決断していく」というところでしょうか。

その哲学(philosophy)と思想(thought)から、観察(observation)や分析(analysis)をして、
発想(idea)をする。そしてそのためには忍耐(patience)が必要......。

難しいようでいて近道も遠回りもしない、そんな生き方に憧れます。


GÉODÉSIQUE Philosophy

私たちが作り出す全てのものは、私たちが今まで見てきたり触れてきたりしたものであり
全てを知り尽くしていると言う訳ではないにしても、 著名なあるいは無名な先達が作り出し、
または愛でてきたものを私達になりに表現したものです。
それはプリミティブなものから地中海に揺籃され、アイルランドまで行き着いたもの
あるいはオリエントのイズミック・シノワズリ、そして日本、また地下から訪れた鉱物
それらを通して感じえたものが私たちのグランドデザインであり私たちの根拠であると思っています。
私たちは良いものに出会い、見たり触れたりするとき、心ときめき、
また霊感のような衝撃を受けたりすることがままあります。
それから、物に集中していくうちに他を忘れて、 研ぎ澄まされるように止まって澄んだ状態になることが
あります。
私はその状態をいつも完全に作り出すことが出来るわけではないのですが
“全て無くかつ全てある” 禅でいうところの“空”を感じる瞬間に似たようなものだと思っています。
その言葉に出来ないような表現が出来たときは無上の喜びであり 
わたしたちの意志がそうするのではなく それがそうさせるのだと思っています。
他の世界でそのような経験をされている人々に
それを感じてもらえる事が出来ると確信しています。
またそれは人々の生活を豊かにするものだと思います。

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慰霊の日

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カレンダーには、今日の日付の下には何も書かれていませんでした。

今年の年明けは12年振りに帰省できなかったので、琉球新報や比嘉おかず店のカレンダーではなく、
こっちの業者さんのカレンダーが掛かっていましたから、仕方のないことですね。

それでもこの日を忘れずにいられるのは、歳のせいかもしれませんが、
どうしても涙腺がゆるんでしまう日だからだと思います。

おじいちゃんやおばあちゃん、おじさんたちが、戦中戦後の話をする時はいつも、
悔しさや悲しさの涙が混ざったやさしい笑顔で話をしてくれていました。

今ではもう見ることができなくなってしまったあの笑顔を思い浮かべると、
涙が止まらなくなってしまいます。


1945年6月23日に沖縄本土での組織的戦闘が終結してから67年が経ちました。

今日行われた沖縄全戦没者追悼式で、朗読された首里高校3年生の金城美奈さんの詩の一節です。

<六十七年前を生きた人々の後ろに 私たちは続いている 私たちにできることは 
あの日を二度と呼び戻さないこと 私たちに必要なことは あの日を受け止めて語り継ぐこと>

 朗読した詩は、こう結ばれています。

<礎に刻まれた人々の 届けたかった思い 叶えたかった願い 私たちが届けよう 
私たちが叶えよう 礎に思いを重ねて>

朗読を終えた金城さんも、おじいちゃんたちと同じ笑顔をしていました。

行き場のない怒りや悲しみを癒してくれるのはやさしさしかないこと、
そして語り継いでいくためには涙だけではなくて、微笑みが必要だということを、
しっかりと受け継がれている姿を見ることができた、6月23日でした。





展示会に向けて、Lucchiのdiaryも更新されています。
どうぞよろしくお願いします。

http://lucchi.jp/diary/

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Lathe for woodwork

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Lathe(レイズ)とは、旋盤のことです。
材料を左右の軸にセットして回転させて、バイトというでっかい彫刻刀のような切削工具を使って、
いろんな形に削っていく機械です。
欧米ではポピュラーな機械ですが、日本では木工ろくろと呼ばれていて、主にお皿などを作る
ボウルターニングが主流です。
うちは木皿制作には興味がないので、欧米で主流のスピンドルターニングをしています。


スピンドルターンを使用した家具を、この20年でめっきり見なくなってしまいました。
その代わりに、アンティークの家具屋さんでは必ず置いてあるようになりました。
将来の日本では、レッドリスト(絶滅危惧種)になると言われるスピンドルターニングですが、
これからようやく始めていく什器家具作品にて、頑張っていいものを考えて作って、
どんどん使っていきたいと思っています。


IMG_1310ww.jpg個展に出展するガラスケースの脚は、
このスピンドルターニングで制作します。
彫像がまったく彫り進められないので、
しばらくは旋盤作業に集中しようかと思います。
機械でかっちり作って組んだ後に、
ざくざく彫っていったりしたら面白いかも、
なんて思ったりしてしまいます。

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Blank 19 months

I yet see nothing.... It has not been yet expected..... I cannot but wait......


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Because there is a blank for 19 months.......

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Fern

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地球に生命が誕生したのは約38億年ほど前の冥王代という時代だそうです。
それでは植物が陸上に生息し始めたのはいつ頃かというと、約4億2千年前だそうです。

この頃の地球は、カンブリア紀から始まった、顕生代のシルル紀の時代になります。
海洋では珊瑚類の繁栄が始まっていて、植物の陸上進出だけではなく、昆虫も誕生しました。


Fern、すなわちシダ類は、維管束植物に分類される種子植物以前に生まれた植物です。

陸上植物の中ではコケ植物がまず現れ、苔類、蘚類、ツノゴケ類の順に古い起源を持ちますが、
維管束植物は、ツノゴケ類と同一の起源から進化してきたと考えられているようです。

太古の地球で最初の森林を形成していたのは、このシダ植物たちでした。
現在のシダ植物では考えられないほど、樹木のように大きく生い茂っていたそうです。

爆発的に繁栄したシダ植物は、デヴォン紀を経て石炭紀に入ると様々な形態に進化していきますが、
2億8千万年前のペルム紀中期頃になると、次第に勢力を弱めていきます。
その後幾度となく進化の袋小路に迷い込み、またペルム紀末期と白亜紀末期に起きた生物の大量絶滅の
危機にも直面しますが、それらを乗り越えて、現代のような森林が発達していった古第三紀以降、
再び繁栄の時代を迎えています。

それにしてもシダ植物は、いつ見てもその生命力を感じさせてくれます。
原始からの叡智が凝縮された、もっともシンプルで機能的な美しい形です。

4億年という途方もない歳月を生き抜いてきたシダ植物。
ただただ感心するばかりです。

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先月12日の土曜日、名古屋は名駅に、うつわときどきアートのギャラリーショップ、
うつわ[hase:ハーゼ]さんがオープンしました。


オーナーさんはうつわの作家さんを中心に、日本全国はもちろんのこと、ドイツやイギリス、
フランスといった海外へも脚を延ばし、たくさんの個展を見にいくことが、ライフワークと言う方です。

「それほどまでに詳しく、好きであるのなら、ご自分でお店を構えてみたらどうですか?」

数年前に、とあるギャラリーの方にそう言われるのも、自然なことだったのかもしれません。

そんなオーナーさんが僕の精霊の彫像を購入されたのがきっかけで、お店づくりを依頼してきてくれました。


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限られた時間と予算、そして遠方という条件下でのお店づくりでしたが、たくさんの縁に恵まれて、
納めることができました。

お店づくりの観点からだといいのですが、作家としてから見ると、僕は一般的なギャラリーのような空間が
好きではありません。
すべて白い壁面、白く染色された床材、白く塗りつぶされた木の台にまぶしいスポットライト。。。
個性的で独創的な作品が、そういった空間に置かれていくことで成長していくとは、とても思えないからです。
作品や作家を選ぶような空間が理想です。

全部が白い空間はたくさんあるわけですから、作家が違ったアプローチをしたり、
見る側も、一癖あるものが置かれている空間も見てみたいと思うはずです。

そんな美意識がオーナーさんとも近かったことで、少々癖のある、凛とした空間が出来ました。


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僕はうつわやアートの世界についてほとんど知らないものですから、たくさんの人やお店の名前を聞いても、
チンプンカンプンです。饒舌なオーナーさんとお話をしていると、わからないことだらけでした。

唯一、友人の増満さん、チクニさん、antosの話をされた時だけは、ついていくことができました。。。

オーナーさんに限らず、作家さんたちも、こういった世界でやっていくためには、たくさんの人やお店、
ギャラリーといったところと、知り合いになっていかなければいけないんだろうなと思いました。

そんな交友に努めながら、自分の時間を確保して作品を制作している作家さんたちを、改めて尊敬します。



IMG_9604w.jpgふしぎな縁がいろいろとありまして、
個展開催期間以外の常設展期間では、
憧れの前川さんの彫像と僕の精霊の彫像が、
一緒に展示される機会もありそうです。
5年前の青山で初めて見させていただきましたが、
前川さんの作品は本当に素晴しいです。
言葉になりません。


e0273994_17453914.jpgこの、うつわ[hase:ハーゼ]さんには、
今後展開していく予定の什器が数点置かれています。
一点物ですので、比較サンプルとして興味のある方は、
お店にてご覧になってみて下さい。
仕様とおよその価格などは、facebookページにて、
随時アップしていく予定です。

今回のお店づくりのプロセスについては、
来月の現代手工業コラムにて、
大ちゃんが詳しくお伝えします。

うつわ[hase:ハーゼ]さんの初めの展示会は、
益子の作家さんで二階堂明弘さんという方の個展が、
5月19日の土曜日まで開催されていました。
今回は入れ違いでお会い出来ませんでした。


photo21.jpg今月6月23日からは、韓国出身でドイツエッセンの
マルガレーテンヘーエ陶器工房のディレクターを務める
李英才(リ・ヨンゼ)さんの個展が行われます。

個展の模様は、うつわ[hase:ハーゼ]さんのHP
またはfacebookページにて更新される予定です。



最後に、うつわ[hase:ハーゼ]さん、いろいろどうもありがとうございました。
オーナーさんのふしぎな人柄とこの空間が、たくさんの作家さんと素晴しい作品たちとを、
紡いでいってくれることを願っています。

新幹線の名古屋駅より徒歩10分圏内です。
皆さんもお近くにお越しの際は、是非お立ち寄り下さい。

うつわ[hase:ハーゼ]HP:http://www.utsuwahase.jp/

うつわ[hase:ハーゼ]facebookページ:http://www.facebook.com/utsuwahase

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