2012年11月過去ログ

to North America

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「そこで見られる樹木や草は、ヨーロッパのものとは夜と昼ほどに違っている」


アメリカ大陸を発見した、かのクリストファー・コロンブスが語った言葉だそうですが、当時のヨーロッパの人々にとっては、アメリカの自然は実に謎に満ちた別世界でした。
18世紀に入ってもその広大な土地のほとんどは未だに原始の状態を留めていて、風変わりな動物や植物が生息する魅力ある新天地だったようです。

そんな中、北米大陸へと渡った博物学者たちはどんな収穫を得て師であるリンネに標本を送ったのでしょうか。


今では新大陸というものは世界中を探してもどこにもないようですが、僕にとっては世界で行ったことのないところというのはたくさんありますから、ほとんどが新大陸のようなものですね。皆さんはどうですか。



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名古屋地区のA井さんから、「atelier galleryを始めようとしたきっかけはなんだったんですか?」
という質問を受けました。

単純に、どうせ作業をするのなら気持ちのいい雰囲気の中で作業がしたい、というのが一番ですが、今後は遠方での個展を小規模でもやっていきたいと思っているので、12坪というこの空間はとても良いプレゼンテーションになるのではないかと考えていますが、果たしてどうなっていくのでしょうか。。



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写真は階段です。ちょっと急ですので、難しい方のために2Mx1Mのリフトをご用意しましたので、お気軽にお申し付け下さい。
階段の壁には鉄の黒や錆や磨き、真鍮や亜鉛板などが貼られています。
それぞれ金属板のサンプルとしてご覧になっていただいても良いかと思います。
いよいよ2週間後となりましたお披露目展ですが、現在の進行状況ですと、完成とはいかなくて改装途中でのお披露目になりそうですが、どうぞよろしくお願いします。


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to Lapland

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スカンジナビア半島北部からコラ半島にかけて、北極圏限界線から北にラップランドという地域があります。 西部はスウェーデンのラップランドで、フィヨルドや深い谷、氷河や山(最高峰はケブネカイセ(Kebnekaise :標高2,111m))が続く地域です。もっと東はフィンランドのラップランドで、低い高原に多くの湿地や湖(イナリ湖等)があって、フィンランド最長の川であるケミ川が流れています。そして最東端にはツンドラ地帯が広がっています。


ここはサーミ人と呼ばれる人たちが住んでいて、スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・ロシアの4ヶ国にまたがっている地域ですが、今ではソ連の崩壊とともに18世紀の世界と同様に、国境はさほど重要ではなくなっているようです。
聖ニコラウスという聖人のゆかりの深い地域ですが、サンタクロースと呼び名を変えた方が分かり易いかもしれませんね。


そんなラップランドですが、若かりしリンネが始めて博物学的調査に出向かった地域でした。しかも単身でこの辺境の極地へと向かったのです。

そこにはツンドラや極地、高山などにしか生息しない植物や生物が多く見られたようです。
それらは今となっては希少なものとなってしまいましたが、当時は非常に発展的な発見でした。
このラップランド旅行がなければ、以降の弟子たちによる世界行脚はなかったのかもしれません。

リンネが見たその世界には、クリサンセマムやラナンキュラスなどの新種や、コケモモやリンネソウなどの亜高山の針葉樹林帯に生息している小さな草花が数多く見られました。
このラップランドは、現在の植物学の発祥の地といっても過言ではないでしょう。


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名声を得たリンネの学科には多くの学生が受講するようになります。そしていよいよ自然の体系つくりへの本格的な探査が始まります。
あるものは北米大陸を、またあるものは南アフリカは喜望峰を目指し船に乗り込みます。陸路にてヨーロッパを東方へ、または南東のアラビア半島を目指すものもいました。

次回は、18世紀ではまだ未開の土地が大きく広がっていた新大陸、北米大陸へ趣きます。



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今回は18世紀が舞台ということもあって、木を選びました。
額縁はすべてエイジングされたいろいろな木材によって作られています。
大きさも世界各地から送られてきたという設定ですので、はがきサイズ、名刺サイズくらいのものからA4くらいまでのものになります。
Oさんのように、木のエイジングを調べようと検索するとスペソーが上位で見つかったらしく、調べるのをやめていろいろ聞きに来られましたが、今回のフレームに関してはだいぶ参考になるのではないでしょうか。
もちろん、スペソー的には中身の金属の植物に興味をもってもらいたいと願っていますが。。。

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2008年より個展活動を始めてから、毎年変わらないルーティンがあります。


それは、「毎年、年末のただでさえ忙しい時期に展示会をしている」ということです。

別に、年末に展示会を行うのが好きなわけではありませんが、仕事の特性上、繁盛期間が決まった時期にあるわけではないので、どうしてもずれ込んでしまうというか、年内に開催と思ってやっていると本当に年末になってしまう、というのが本当のところなんです。

皆さんには、師匠も走るこの多忙な時期に声を掛けるようになってしまっていて、本当に申し訳なく思っています。。。


さて、今回の展覧会はアトリエギャラリーのオープンを記念しての開催となります。

one-offのプロダクトやサッシ等のスペソーの仕事がどのようなものかが、把握してもらえるような空間に仕上がっています。また、肝心の作品はなんとかすべて新作の展示となる予定で制作しています。

今回の展覧会のテーマは『There by the Grace of God』というタイトルです。

これはアトリエギャラリーが、小さな礼拝堂をイメージした空間であるということと、そこにあるすべてのものは、自然の神さまからの恩寵を受けたものたちであるということから付けたタイトルです。

また、今回クローズアップしているスウェーデンの博物学者、カール・フォン・リンネとその弟子たちの理念にも通じるところがある言葉だと考えています。


自然の中には大いなる意志を持った、神慮深い存在に気付かされます。
実体として見ることは叶わないかもしれませんが、とても神秘に満ちたものです。
18世紀の博物学探検の黎明期、カール・フォン・リンネは、すべての生物は神の恩寵によるものという概念に基づいて、生物の命名と体系化に尽力しました。
とりわけ、彼の意を体して世界中の異境に赴き、博物標本や情報を収集し、師に送り続けた弟子たちは、この自然の中の神慮に満ちた植物や生き物たちに、神の恩寵を感じていたのかもしれません。

今回の展覧会では、世界中に散らばっていった彼らが、採集した植物を小さな木箱にたしなめて、リンネの元へ送り届けたという設定をしています。
それには、植物や昆虫の標本とともに、簡潔な言葉の中に『There by the Grace of God』を感じられるメッセージが込められていたのだと思います。

展覧会までのブログで、出来るならば彼らの足跡をもう少し踏み込んで辿っていきたいと思っています。
また、展覧会の詳細も含めてお伝えしていきますので、どうぞよろしくお願いします。


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てぃしらじそば

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沖縄そばはいいですね。


地域によってそれそれの好みがあっておいしさも違いがありますが、ラーメンのようにここ数年の短期間で過剰なアピールをするようになったりせずに、どこに行っても至極自然に悠久の時間を積み重ねています。

首里には沖縄そばの名店と呼ばれるお店が多いと言われていますが、C名T健くんがまごころ込めて作るそばはとてもおいしいです。
うちの奥さんの同級生なんですが、もうかれこれ30年、T健くんは見た目も雰囲気も変わっていないそうです。


自分の持っている天分を自然に理解して、それを体現して日々積み重ねていく


とても大事なことなんですが、いろんなことに惑わされやすい現代社会では、これを身につけることはとても難しいことなんだと思います。
その上で、少しずつ努力していくことが出来るかどうかは、もっと難しいんでしょうね。

何だか真面目な話になってしまいましたが、沖縄に訪れる機会がありましたら、てぃしらじそばを是非ご賞味下さい。写真を見るとおいしそうで、また明日も食べたくなりますね。


IMG_2403S.jpgてぃしらじそば
沖縄県那覇市首里汀良町1-1
環状2号沿い儀保と鳥堀の交差点の中間にあります。
モノレールでは首里駅からの方が上り坂が少ないです。
営業は11:30〜15:00、月曜定休です。P有ります。

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