森の珊瑚
朝晩だいぶ涼しくなってきましたが、雑木林ではまだまだ蚊が元気です。
掃除のおねえさん方のような装備で森に入っている今日この頃です。
ヒガンバナの赤色が鮮烈に映える季節ですが、全体的に少しずつ色づいてきているように感じます。
ツユクサやキツリフネ、ソクズなどの夏の植物がまだ多く見られますが、徐々にコスモス、キバナコスモスらが目立ちはじめています。もうそろそろ、キク科の植物たちが主役になるのもそう遠くないようです。
僕は森に入るともっぱら地面の方ばかりを見回ってしまいます。もう少し野鳥などの上の方にいる生き物たちをじっくり観察していたいのですが、今のところは鳴き声だけでも聞ける時間があるだけで随分と癒されます。
そんな森の床には、たくさんのかけらが置いてあります。特に台風が過ぎた今頃はいいですね、存分に満たしてくれますし、掃除をしているみたいで、なんだか森自体が肯定的でいてくれるようで気分もいいです。
それにしても植物の描く曲線の美しさはいつ見ても素晴しいです。ごく短い時間で作り出される人工的な曲線もきれいですが、少しずつ少しずつの軌跡によって形成された自然の線というのは、本当に豊かですね。
おかげでアトリエにはたくさんのハチが絶え間なく行き交っています。普通に作業していても、彼らは一度もこっちに威嚇しにきたりはしませんから、もしかしたら巣作りの場所として選んでくれるのかもしれません。
夏にもお伝えしていましたが、年末に開催予定でしたhikeさんでの『物質の循環展』は今年も見送りとさせていただきました。hikeさん、楽しみにされていた皆さん、本当に申し訳ありません。
アトリエギャラリーの準備、作品制作はなかなか進んではいませんが、皆さまのおかげで絶え間なく仕事に励むことができるようになり、こうして自然を観察する時間を大切にできるようになりました。
現時点で12月9日の週を目標としていますが、ファイナルアンサーはもう1ヶ月ほどお待ち下さい。
なお、11月2、3、4の3日間、前年同様青山にて開催される今年の現代手工業乃党の展示会には、上記の事情などもあり今回は9年目で初の不参加となっております。
残念ながら僕らは会場におりませんが、予定されていた方もいらっしゃると思いますので、出来ればそのまま会場に脚を運んで下されば幸いです。