百刻みの刑
「ランの解剖学 生殖の線と百刻みの刑」が始まります。
僕もランについては少しだけ調べたことがあるのですが、中村さんの感覚には、とても驚かされました。
生命現象には、常にそれぞれの存在、
さらに存在者間の関係さえ部分として取り囲む、
全体性が見出されます。
そして、部分としての個物や全体という強度を配分する
階層性は、常に部分や全体なる階層の隙間に、
階層間パラドクスを混成し、
自律的に変化していきます.....。
このような作品の説明キャプションがありますが、
是非読んで下さい。
ジル・ドゥルーズといえば、そうですね、
三つの位相で展開される時間論や器官なき身体、
それにリゾームでした。
フッサールやハイデッガー、ソシュールにガタリ、
ラカン、フーコー........。
10代後半の頃に読んでいたんですが、
今でもけっこう覚えているものです。
中村さんは、自然という存在の中にあるいくつもの宇宙というか、それぞれの存在の意識の中で
幾重にも絡み合う多層的な空間を、ひとりでじっと眺めているようです。
百刻みの刑、第三の時間の総合、ランとハチの偽似交接と補完関係、バタイユのエロスの涙。
中村さんの世界観に惹き込まれて行って、還って来れなくなってしまいそうでした。
球根草花展は無事終了いたしました。
geodesiqueさん、そして会場に来られた皆さん、ありがとうございました。
GASA*さん、hikeさん、茜陶房さん、たくさんのご紹介ありがとうございました。
A1A2の大きめのサイズの額が1つずつ残りましたが、みなさんに気に入ってもらって、
球根草花たちも生き続けることができて、喜んでいると思います。
さて、hikeさんでの物質の循環展が待っています。
もしかしたら、年末に開催できるか難しくなってきているかもしれません。
それに、草花を期待している方には、その期待に添えないかもしれません。
僕はいろいろなものを作ってきました。
いつも新しい試みをしてきました。
植物が3回も続いたのは奇跡か偶然かもしれません。
けれど、自分のものにすると次に新しいものを作ってみたくなるというタイプではないんです。
納得のいくものが作れなかったり、まったく受けなかったり、突き詰めていきたくなるようなものに
出会えなかったからです。
モチーフやテーマが植物ではない時もあると思いますが、
僕が突き詰めていきたいと思えるような世界観が、今ようやく見えてきたんです。
いろいろな意見をいただきますが、以前とは違ってすべて好意的で発展的な意見なので、
ありがたく思っています。
もうしばらくは、この世界観を見守っていっていただければ幸いです。