『japanist』

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先月にお伝えしていました、雑誌『japanist』さんが発売されています。
現代手工業家、モリソン小林として紹介していただいています。


実は原稿をいただいたときには、「彫刻家」と記されていました。
ほんの少しだけ考えましたが、そのままでいいと思い、訂正せずに返却しました。

8年前に作った僕の名刺には、「現代手工業家」と書いてあります。
現代手工業乃党という、ものづくりのNPO団体に参加しているということと、
今までになかった造語なので、いろいろなことをしている僕には、何かとうってつけで、
しっくりくる言葉だったからです。
そして何より、同じような志を持った作り手たちが集まって何かが起こる、
新しいデザイン美術工芸運動として、後世に何かを残せるのではないかと考えていたからです。

本が出来上がって来た時、「現代手工業家」として記されているのを見て、
不思議なんですが、少し戸惑ってしまっている自分がいました。


現在進行しているお店ですが、以前制作した、流木を彫った精霊の彫像を購入されたお客さまが、
新しくギャラリーを始めるということで、内装などをお願いしたいという依頼をしてきて下さいました。
「同じ美意識を持っている方にお願いしたいので」ということでしたので、
作家として自分が展示会をするとしたら、という空間を作ることになりました。

このことがあって、個展活動を始めてからの3年間を振り返ってみると、
内装屋や家具什器金物屋、インテリアデザイナーとしてよりも、作家として、お店作りや
什器制作を依頼されていたことの方が、多かったのかもしれないと思うようになりました。
自分では分けていたつもりが、仕事も作品制作も、すべてがリンクしているんだと
思うようになりました。
限られた時間とお金の中で作られるお店ですが、他のものに倣うことに違和感を感じる方たちの
考え方としては、僕のような作家としての独創性を、お店の中に落とし込んで欲しい、
ということなのかもしれません。

本の中で、
『ちなみに、「彫刻家」でなく「手工業家」と名乗っているのも、モリソンのこだわりだろう。
そこにアーティストである前に職人であることへの矜持が読み取れる。』と書いてあります。

「現代手工業家」という名前は、作り手、職人としてのこだわりがあるから
つけていたというのは、確かにその通りだと思います。

自分としては、職人としてのこだわりは絶えず持っていますし、作家としても、
デザイナーとしても同じです。
ですから、何と名乗らなければならないという必要性はもうあまりないように感じます。
「現代手工芸家」でも、「彫刻家」でも、「現代作家」でも「職人」でもいいような気がします。
僕には一応本名があるわけですから、「モリソン小林」とだけ名乗ればいいように思えます。
誰もその名前以外に何が付いていても、特に気にしなくなっているみたいですから。。。

そんなことをいろいろと考えながら『japanist』を読み返していました。


IMG_9468w.jpg金属の像刻花や、彫像などの作品の世界観について、
楽しくお話をさせていただきました。
14ページと見応えもあります。
代官山の蔦屋書店に並んでいますが、
都内以外の方は書店にてお問い合わせしていただくか、
『japanist』webサイトをご覧下さい。

http://www.compass-point.jp/japanist.shtml

編集長の高久多美男さんのブログ、『多楽スパイス』
でも何度か紹介していただいています。
いつ読んでも、小気味良くてユーモアとセンスに溢れる
真っ直ぐなブログです。
メジャーリーガーに負けじと、何としても中4日を
守って、寄稿するようにしているそうです。

皆さんも是非ご覧になってみて下さい。

2012年11月

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