2012年12月過去ログ

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空色は、空の生命がみせる色

水色は、水の生命がみせる色

枯色は、生命活動を閉じる直前にみせる生命の輝きの色

これほどまでに輝くのかと思うほどの、自然の生命の発現


かつての人々は自然の中に、そんな色たちの世界をみていました

自分たちの生命をとおして、つかみとった自然の生命の色を


自然を支配、制圧しようとしてきた欧米的な人間中心主義

文明社会が生み出した大きな矛盾、そして破綻への連鎖


自然を知るということは、人間の外にある自然を知ることではなく

目に見える自然のみを考察してわかるものでもありません

自然と人間との一体的な世界を知ること

その意味から人間の世界を知ること


自然にはまだみえぬその先があります

そこに生きる植物や生物たちにも

そして人間も、その恩寵のそばから離れてはいけないのだと思います



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『自然との共生と物質の循環』というコンセプトで制作を始めた金属の植物や蝶、流木や倒木の彫像。
早いもので丸3年が経ちました。あっと言う間でした。


2007年まで、僕らは年に何十件という百貨店などのテナント工事のデザインや什器制作をしていました。
大きなコミュニティーの中で、たくさんの人たちとお金が通り過ぎていきました。
少しでもついていけない人たちは、いつの間にか顔を見なくなってしまっていました。
大きなものの中にいると、自分は他の人よりも大きく、価値のある人間だと思い込んでしまうのかもしれません。高圧的な人たちや過度に依存している人たちを見ていると、自分はどうなんだろう、どう見えているんだろうと不安でした。

自分を見失わないために作品を作るようになったというのは、後付けの理由ですね。
大きなコミュニティーの中でも、自分を見失わないでいられる人たちもいますから。
山や森の自然の中にいたときに、精霊の声を聴いて人生の分岐点を迎えたわけでもなく、何か大きなきっかけがあったわけでもありません。
いろんなことが多層的に重なっていって、いつの間にか作品を作るようになっていた気がします。

この世界や人間の内面などには光と影が存在しますが、精霊は光の中に存在するイメージで彫っているつもりです。極力、影が存在しないようにしています。
植物も光に向かって伸びていくので、朽ちてはいても枯れ果ててはいない生命の輝きを出すようにしています。

影ばかりを見て、それに追われていた頃に少しだけ光が見えていたのかもしれませんね。
ほんの少しだけでも、すごく明るかったんだと思います。


今年を振り返るというより、来年に向けて、改めて『自然との共生と物質の循環』について、思いを巡らしている年の瀬です。

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atelier galleryでの最初の展示会となりました『There by the Grace of God展』、無事に会期を終えることができました。たくさんの、本当にたくさんの皆さまにご来場いただきました。
お忙しいところお越しいただきまして、どうもありがとうございました。
また、たくさんのお祝いもいただきまして大変感謝しています。どうもありがとうございました。



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今回ご好評をいただきました樹脂の作品ですが、とても親しくさせていただいている鹿児島にあるジュエリーブランドのsamuloさんにて、10点の新作樹脂作品を販売していただいています。


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赤い花が映えるアネモネ・コロナリア、クロッカスは紫の花色です。
サギソウ、トロリウスはともに白い花です。これらは大きめのサイズになります。
逆光の写真ばかり撮影してしまい、色味がよく写っていない残念な写真ばかりですみません。。。


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紫色のリンドウと黄色い小さな花をつけるカタバミです。
赤い小さな花をつけて葉っぱが印象的なウスバサイシン、そしてエーデルワイスです。
こちらは小さいサイズになります。この他にスミレなど2点があります。
お問い合わせは下記までお願いします。

samulo:鹿児島市西千石町8-21
099-226-8030

http://www.samulo.com/


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写真はクリスマスイヴの大ちゃんシチューです。
ジャイアンシチューのように、まんじゅうやらたくあんやらは残念ながら入ってはいませんでした。
いたってノーマルなおいしいシチューでした。。。


さて、今回の個展にお越しいただいた、たくさんの方から次回の展示会について尋ねられました。

このatelier galleryは、来年の2月より毎月第2週の土・日・月の3日間にオープンする予定です。

少量ですが新作を加えたり、初期作品のバレリーナや球体関節人形なども展示する機会を作りたいと思っています。また、ステンドガラスの押し花だけの「だいちゃんの押し花展」なるものや、NYの友人YOSHIさんの「ヨシくんと愉快な仲間たち展」、そしてLucchi高里の個展など、スペソー以外の方の展示会も行っていきたいと思っています。

また、atelier gallery以外の個展の予定ですが、詳細は年明けの1月中頃にようやく立ち上がるホームページ上にてお伝え出来ると思いますが、9月に名古屋にて2年半振りになる個展を行います。

それでは良いクリスマスをお過ごし下さい。

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小さな道案内

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山林で倒木や枯れ枝を探していると、小さな生き物たちに出会うことがあります。

中でも何色かのカラフルな色をまとった陽気な道案内に出会った日は、とても嬉しくなってしまいます。

この小さな道案内の名前はハンミョウといって、漢字で書くと班猫です。背中に斑紋があり、仕草が猫に似ているからこの名前がつけられたんだそうです。

人が近づくと飛んで逃げますが、1、2メートル程度飛んですぐに着地して度々後ろを振り返ります。
往々にしてこれが繰り返されるために「ミチシルベ」「ミチオシエ」という別名がついたそうです。

そんな別名をもっていますので、このハンミョウの標本をお守りにしていた探検家も多かったそうですが、現在では昆虫の収集家の方の間で、人生に迷ったときのお守りとして重宝されているようです。

僕はこのハンミョウに出会うと、彼のあとをしばらくの間ついていきます。
道中宝物をいくつも見つけて時間がかかってしまっても、彼は待っていてくれます。

そうこうしているうちに日がかげり出すと、僕の足下に向かって勢い良く飛び抜けて、草むらの中に消えていきます。

魔法が解けたような夕暮れのまどろみの中、気がつくと普段目につくことのない宝物がたくさん袋の中に入っていました。

小さな道案内は宝探しの名人でもあるようです。彼らのアングルからだけ見つけることができる森の床の美術品を、大切に、そしてにやにやしながら持ち帰る道中、僕は幸せな気分になるのです。



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湯沢英治さんに撮っていただいたこの写真は、オープニングの夜アップルヒルズテーブルの落合さんに用意していただいた料理です。
atelier cabaneの高橋さんと2人でセッティングしていただいて、接客までしていただきました。
気付けば皆さんにお手伝いしていただいてしまっていて、すっかりセルフサービス状態になってしまっていました。。。




atelier gallery最初の展示会『There by the Grace of God展』も残すところ明日のクリスマスイヴのみとなりました。
昨日、本日と21時近くまでたくさんのご来場をいただきまして、どうもありがとうございました。


明日の最終日も産廃所の爆音もなく静かな雰囲気で、皆さんのご来場をお待ちいたしております。
日没後の17時よりささやかながら、スプマンテと大ちゃんシチューをご用意して、クリスマスのお祝いをしたいと思います。
(大ちゃんシチュー??気になる方は是非お越し下さい)


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Life becoming a landslide

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花の後には種が実る

種は可能性を秘めた新しい命

小さなカプセルの中に遺伝子と栄養を蓄えて

新しい場所で新しい世代を担うべく

種は旅立っていく


冠毛のパラシュートを広げて風に乗るタンポポの種

カエデは翼を回転させてヘリコプターのように飛んでいく

ふわふわと水辺を漂うキショウブの種

雨に濡れて雨滴とともに飛び散るユウゲショウの種

鳥や動物とともに生きる野山の果実たち


植物たちはひとたび根を下ろすともう動けない

限られた養分と光、そして水を求めて種は旅立つ

たくさんの工夫を凝らした種たちの旅支度

大地で受け継がれていく種たちの冒険記



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たくさんのご来場をいただいて大方の下馬評を覆しました『There by the Grace of God展』ですが、次のオープン日は週末の22(土)23(日)24(月)の3日間のみとなりました。

22(土)12:00〜19:00
23(日)12:00〜19:00
24(月)12:00〜19:00 ※17:00よりクリスマスのお祝い

お問い合わせはこちらまでお願いします。

TEL:044-813-0783
MAP:http://www.specialsource.jp/exhibition/2012/11122007.html



IMG_1498s.jpgまた、遅くなりましたが今回のノベリティーのカタログが出来上がりました。
順次お送りさせていただきますので、もうしばらくお待ち下さい。

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serenity

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「静寂」という意味のserenityという精霊を彫りましたが、
今まで制作したすべての精霊がこの言葉を持っています。


それは、植物たちは何も言わず、静かに朽ちていくということと、
その静寂の中に、一瞬の果敢なさを感じるからです。
それらを静かに見守り続けている精霊の姿を、許されている限りかたちにしていきたいと思っています。



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『There by the Grace of God展』ですが、工業地域の様相と雑音とのギャップを感じられてか、たくさんの驚きと笑賛をいただいております。。。。

南武線で1、2を争う昭和な風景を残す久地駅ですが、連日たくさんのご来場をいただいてびっくりしています。本当にどうもありがとうございます。

さて、次のオープン日は週末の22(土)23(日)24(月)の3日間となりましたが、明日からの平日で開けられる時間が決まりました。

17(月)14:00〜19:00
19(水)14:00〜19:00

上記以外の日時については、事前にご連絡していただいて調整が可能な場合は、ご覧頂くことができる時間もございます。

お問い合わせはこちらまでお願いします。

TEL:044-813-0783
MAP:http://www.specialsource.jp/exhibition/2012/11122007.html

最終日の24日は、この小さな礼拝堂でも日没後の17時よりクリスマスのお祝いをいたします。
蝋燭の明かりを照らしながら、この尊い一年に感謝をしたいと思います。

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空が語りかけていた

深い森の奥から押し出され 命を絶たれた獣の遺品に

空は見守っていた

海峡のしじまに さまよいつづける魚影の名残を

空は照らしていた

閑疎なシルエットを黄昏に沈めて 静まるように光る蝶の羽を

しめやかに空の岸辺を飾る 命の終焉


空は聞き入っていた

薫風に揺れて産声をあげる 若い命の誕生を

空ははぐくんでいた

種族の生命をつないで 倒木の隙間に背伸びする若葉の生い立ちを


宿命を背負う生々流転の絵巻

整然と 自然が繰り広げる輪廻のドラマ

自然の神秘をたずねる 美しい道しるべ



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以前このブログでもご紹介させていただいていますのでご存知の方も多いと思いますが、祭壇やバルコニーの植栽などは、すべてatelier cabaneの高橋さんにお願いしました。とても素敵な草花たちに彩られています。
アーチの窓は1枚扉となっていてバルコニーをご覧になれますので、お気軽にお声を掛けて下さい。

さて、『There by the Grace of God展』ですが、明日の木曜日はお休みとなっております。
オープン日は、14(金)15(土)16(日)22(土)23(日)24(月)の6日間となっております。
17から21日までの平日は、事前にご連絡していただいて調整が可能な場合は、ご覧頂くことができる時間もございます。

お問い合わせはこちらまでお願いします。

TEL:044-813-0783
MAP:http://www.specialsource.jp/exhibition/2012/11122007.html

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オープンを迎えました

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本日12月9日、念願のアトリエギャラリーのオープンを迎えることができました。


たくさんの皆さんに応援していただいていることを改めて実感いたしました。
もろもろの準備不足を早くから来て終日手伝ってくれた皆さん、本当にどうもありがとうございました。
また師走のお忙しい中ご来場して下さった皆さん、本当にどうもありがとうございました。


さて、自分で言うのもなんなんですが、僕自身があまり社交的ではないことと、長い付き合いの方々に支えられて仕事を続けて来ていることで、自分から交友を拓くようなことには積極的ではなかったようです。
懇意にしていただいている写真家の湯沢英治さんに「こんなに作っているのに、メディアに露出しないのは、そういうのが嫌いだから意図的に露出していないの?」と聞かれてしまいました。

僕としては嫌いでもなんでもなく、特にそういった機会がなかったからなんですが、このアトリエギャラリーをきっかけに、これからそういう機会が増えていってくれればいいなと思っていました。
実際に見ていただける空間が必要だと思っていましたから、プレゼンテーションとしてはばっちりなんじゃないかなと考えています。たくさんの方に来ていただくことで交友も生まれますし、無精な僕も皆さんのところへ脚を運んだりしていくことにも積極的になっていきたいとも思っています。

また、もうひとつの積年の目標についても、いつも湯沢さんに言われるんですが、「海外で認められたいんじゃなくて、認めさせるという意識を強く持った方が良い」ということも、この空間が起点となって目指せていけると思えるようにもなりました。



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『There by the Grace of God』という展示会のタイトルは、「神さまの恩寵のそばにあるもの」という意味を持っています。それを感じてもらえるような作品と空間を作りました。
皆さまのお越しを心よりお待ちいたしております。

今週は、水・木がお休みとなっております。
お問い合わせはこちらまでお願いします。

TEL:044-813-0783
DM-map:http://www.specialsource.jp/exhibition/2012/11122007.html

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to India

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スイレンの学名Nymphaeaの語源はギリシャ語のニンファイア(妖精)だという説があります。


妖精や精霊を見たことはありませんが、確かにこの花には心が洗われるような美しさがあります。
インドではWhite Lotus(白蓮)と呼ばれていて、仏教、ヒンドゥー教では清浄の象徴とされています。
またエジプトでは、ナイル川のそばにたくさん咲いていることから「ナイルの花嫁」と呼ばれていて、インドと同様に国花になっています。


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そして、ヒマラヤに咲く白い花もとても清楚です。
キンバイソウのようにおもに黄色や橙色をしている花が、亜高山帯では白い花を咲かせる場合があります。
このインドという神秘的な国に辿り着いた博物学者たちは、何を見て、何を感じていたのでしょうか。


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さて、atelier galleryにお車で来られる方もいらっしゃると思います。
近くにパーキングもございますが、アトリエ敷地内に3台まではなんとか停められると思います。
また、電車にて来られる方は、日本のマンチェスターといわれる川崎を縦貫する南武線、登戸と溝ノ口のちょうど中間にあたる久地駅を下車していただいて、徒歩5分ほどの近いところにあります。
万が一迷ってしまわれた場合はお電話下されば、大ちゃんがうっかりして難しいナビをしない限り無事に辿り着けると思いますのでご安心下さい。


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to Cape of Good Hope

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ヴァスコ・ダ・ガマが初めてこの岬を迂回して、大西洋から東へ抜けてインドへの航路が開拓されてから、この喜望峰と呼ばれるアフリカ大陸の西南端とその周辺の一帯は、植物地理学においては実にユニークな地域として有名になりました。


身近な植物を例にしても、フリージア、アガパンサス、イキシア、ガーベラ、マツバギク、グラジオラス、銀葉樹その他いろいろ、本当にたくさんこの喜望峰界原産の植物たちがあります。
植物の楽園と呼べるこの地域には、他にもアフリカ特有のたくさんの珍しい動物や昆虫などの生物が生息していました。



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このゴライアスオオツノハナムグリに代表されるハナムグリ類は、カブトムシなどとの競争に打ち勝って、アフリカ大陸において隆盛を極めました。
昆虫王国でもあるアフリカ大陸の中で、最も重く飛ぶことのできるこの昆虫を初めて見た博物学者たちは、皆驚嘆していたに違いありませんね。



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さて、先日DMを発送いたしまいた。
都内ではGEODESIQUEさんの中目黒青葉台店、同じく中目黒は東山のhikeさん、そしてGASA*さんの白金台店と恵比寿3+Re2、吉祥寺ではshawn&meguさんにてDMを置かせていただいています。
また、名古屋地区では名駅のうつわhaseさん、天白区鴻ノ巣のcarafeさんにも置いていただいています。
いつもご協力どうもありがとうございます。



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また、この度atelier galleryでは、VISA、Master card等のご利用が可能になりました。
郊外のはずれの工業地帯にあって、なおかつアートギャラリー系ということもあって、なかなか難しいとは言われていましたが、なんとか審査に通ることができました。ご尽力していただいたH野さん、どうもありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。


これまで多くのお店作りをさせていただいてきましたが、いざ自分で始めるとなると、こんなにも大変だとは思ってもみませんでした。形には出来るから大丈夫だろうと高を括っていました。。。
この大変さを施主樣方と共有できるようになったと考えて、今後に生かしたいと思っているオープン7日前でした。


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